買取も人気のフィギュアの誕生

日本のフィギュア

人形ではなく日本でフィギュアと呼ばれる製品はいつ頃から普及したのか。

昔からジャパンには日本人形や髪の伸びる人形があったので、英語でいうところの フィギュアの始まりは相当遡ることになりそうです。 ですが今本屋さんやアニメのグッズを扱っているお店、貴金属やブランド品の買取や 販売をしている古物商に出入りしている若者が呼ぶフィギュアに近いアイテムが登場 したのは、そんなに遠い過去ではありません。 自動販売機でおでんを購入して飢えを凌いだり訓練されたメイドのいるお店で優雅 なティータイムを楽しむ人種が収集するのはアニメ関連のフィギュアで、磁器製品 でキャラに名前や設定が付与されていないアイテムは除外されます。 そうではない現在のフィギュアの始まりはプラモデルが生まれた頃以降になり、 今ほど芸術性が高くはありませんがハニワや土偶よりもマニアを惹き付ける要素を 取り入れた作品が開発されるようになってきました、 厳密に言えばプラモデルもフィギュアとは認められないでしょうし、2次元の世界 のキャラクターを3次元に連れてこようと苦心していた頃の初期の作品は、現在 ゲームセンターの景品になっているアイテムの足元にも及ばぬ出来で、注釈がないと どのアニメの登場人物なのかもわからない品もあったようです。 1990年代になるとシリコンを素材とした製品も出現し、大量生産にも弾みが ついてプラモデルからガレージキットへとマニアの心は移って行きます。 このほうが美男子はより美男子に、美少女はもっと美少女に表現可能な作品を 作ることができそうだと、オタクの心が察知したのでしょう。 平面上ではどんなにかっこいいロボットでもプリティーな主人公でも、立体化した 途端にその魅力が半減するような商品ではマニアは買い漁ってくれませんし、買取 をしてもらおうと企んでも高値が付くことも期待はできません。 原作に忠実で、欲を言えばそれ以上にキュートでハートがきゅんきゅんするような 作品がずっと求められてきたのです。 登場する映画やアニメが面白くてそのキャラ自体にも魅力があることがマニアも 欲しがるフィギュアの前提条件になりますが、その人形の製作レベルが低いと お金を払ってまで買おうとはしないのです。 なのでその問題が解決されてきた1990年代にようやく今のフィギュア文化が 開花してきた、と考えるのが妥当なとこではないでしょうか。 まだこの頃は自分で組み立てるガレージキッドが主流でしたが、次第に完成品も 流通するようになり誰でもお手軽に机の上に飾れる商品が手に入るようになります。 それ以前は購入したガレージキッドのパーツを自宅の作業部屋で色を塗って組み立て て完成させなければ、観賞するため本棚に並べたりテレビの上に置いたり自動車の 助手席に乗せて一緒にお出掛けすることも出来ませんでした。 それが直接完成品を入手できるようになったので、マニアにとってのハードルも 低くなり新たに参戦する新参者も増加、そしてニーズに応えてメーカーの開発も 進むという黄金期がやってきたのです。 2000年になるとかなりのクオリティーの完成品が数千円で販売されるようになり、 もう一部マニアだけが所有するアイテムではなくなってきます。 子供の誕生日プレゼントや会社の同僚の昇進祝い、病気の快気祝いやお中元などでも 贈られるほどみんなの生活の中に溶け込んで、それしか扱っていない専門店や買取 のお店も出現しています。 でもいまの状況からはにわかに信じられないかもしれませんが、文化の歴史そのもの は意外と浅くここ20年位で一気に発展してきたようです。 なので今後どのような方向に進むのか楽しみな側面もあり、また3Dプリンター の登場で今以上のハイクオリティーな作品が量産されそうな気もしますし、マニア の皆さんはしっかりお金を貯めておかないと流行についていけなくなるかもしれない ので頑張ってください。