買取も人気のフィギュアの誕生

磁器のフィギュア

最近の買取の盛んな人気フィギュアは磁器で造られてはいません。

ハニワレベルの人形でなくもう少し近代的な人形はいつ頃から庶民の間で流行 したのか、マニアでなくても気になるところでしょうがだいたい18世紀頃だと いう説が有力のようです。 ヨーロッパで磁器の人形が量産されるようになった時期で、マイセン地方で始まった 産業であるためか磁器製品全般のことをマイセンという名で括っていたようです。 つまり当時ヨーロッパで製造されていた人形は、フィギュアでありマイセンでも あるということのようです。 このような呼称の付けかたは珍しくはなく、日本でも地名の入った製品を探せば いくらでも見つかるのでマイセンという呼び方も正攻法の名付け方でしょう。 例えばあきたこまちというお米がありますが、これがどこで開発された品種かは お米博士でなくても容易に答えることができる人がほとんどです。 正解がわからないというのなら漢字で表記して「秋田こまち」にすれば、今度こそ 日本に長く住んでいる方なら答えが見つかるはずです。 「名称に地名が入っている、って流れだけどこまちってどこにあるんだろう?」 ととぼけたことを本気で言う人がいたら、もう一度小学校からやりなおして社会科 を熱心に学ぶことを心の底からお願いします。 小学生どころか幼稚園児でも知っているであろう秋田県を地名として認識できて いないとこれからの人生で大きな恥をかくことになりそうですし、ひょっとしたら 群馬県や香川県、福岡県や岐阜県のことも「そんなの聞いたことない、ほんとに 日本にあるの?」と言いそうで不安になってしまいます。 国内の町名や市名を全て覚えて欲しいとは望みませんが、せめて都道府県くらいは 頭にインプットしておかないと旅行の計画を立てたりニュースを見ていても、話が 理解できなくてひとり蚊帳の外にいる気分にさせられてしまうでしょう。 国外のマイセンなら知らなくても仕方がありませんが、国内の秋田県を知らない のならちょっと重症ですので早急に地理のお勉強をしてくださいね。 そして人形ブームに火が付いたのか磁器ブームが到来したのか、マイセン地方から 各地に広がってヨーロッパ中で磁器人形が生産されるようになりました。 もともとこの地でしか発展できないような産業でもなく、たまたまマイセンに いち早く伝来してきただけですので時間が経てば広まるのも当然の理です。 そして磁器以外の人形も製造されるようになり、木材を加工して戦う軍人の人形 なんかも造られるようになっていきました。 このあたりからグッと現在のフィギュアに近づいてきましたが、それでも細部まで 拘って造形されいる今のような出来には及ばず、まあお人形の域を出ない作品 なのは当時の技術では無理からぬことでしょう。 でも骨董品としての価値は高く、もし買取してもらおうと思ったら結構な金額を 提示される可能性のある品も多く販売されていたようです。 保存状態がよければそれだけ高値で買い取ってもらえることは日本で販売されている フィギュアと同じですが、なにぶん年代物ですのでなかなか良品と巡りあうチャンス は少なく、最近テレビ放送されたばかりのアニメに出てくるキャラクターの新品同様 のフィギュアを買取してもらうよりも一攫千金を狙える、そんな噂を聞きます。 これは日本で何十年も昔に作られたブリキのオモチャが高値で売買されていること と同じで、希少価値があるからいいお値段が付くのです。 人並み以上にフィギュアを集めているプロの方に製品そのものの魅力はどちらが上か、 いつも身近に置いて触れたり眺めたり持ち上げたりするのならどっちを選ぶか質問 すれば、きっと先週買ったばかりの新品のフィギュアの方を指差すでしょう。 製造技術も格段に進歩していますし、現代人のニーズに応えているのは確実に 最新のフィギュアです。 ですが保存状態によっては大昔の磁器の人形の方を高く評価する人もいるのです。