買取も人気のフィギュアの誕生

フィギュアとは

今でこそ誰でも数体は所持してるであろうフォギュアですが。

現代人なら好きな漫画や映画のキャラクターのフィギュアを部屋に飾っていることは 何もおかしいことではなく、むしろ家中探しても1体もないような家庭の方が 珍しいと言われるまでに日本中に普及しています。 ですがそれはここ最近の事情であり、20年前や50年前、もっと遡ってはるか 2000年前はどうだったのでしょうか。 少なくともアニメのキャラクダーのフィギュアは存在していなかったでしょうし、 恐竜のならばわずかながらに可能性はありますが確実にあったと言えるか、それは ほとんどの方は断言できないはずです。 いつから人類と共に歩んできたのかも興味はありますが、そもそもフィギュアとは 何を表わしているのかから考えてみましょう。 本来フィギュア(figure)とは形という意味で、図形や動物の彫刻などを指す言葉 ですが日本では少し違った意味で使われています。 ご存知の通り人形のようなものを日本ではフィギュアと呼びますが、ぬいぐるみや 超合金ロボ、プラモデルなんかは含まれません。 小さなお子さんや大きな成人が好む、アニメキャラなどの小さな人形に限定されて おり英語のfigureと同義ではないようなのです。 そして日本におけるフィギュアは海外ではアクションフィギュアと呼ばれており、 これは可動式だからではなくテレビ画面や映画のスクリーンでアクションしている キャラクターをモデルにしているからでしょう。 日本とは違って造形物に広く使われている言葉で、東京の秋葉原や愛知県名古屋市 の大須でフィギュアといったらマニア向けのアイテムのように思われそうですが、 フィリピンやセブ島、イギリスでは単にフィギュアだと多くの物を指すので、 もっと詳しい説明を求められるはめになりそうです。 日本人が今使っている意味でのフィギュアが広がりを見せたのは食玩、つまり おまけアイテムが人気を博し始めた頃ですが、これは言葉が普及したというだけで 人形の類はもっと昔からあったのは確実です。 西洋風の意味でのフィギュアならひな祭りに飾る雛人形も該当するでしょうし、 もっと古くはハニワだってフィギュアの仲間とするのに異論はありません。 なので定義があやふやなままではいつフィギュアが誕生したのかを論じることすら ままならないのですが、とりあえずは人形っぽい物は全て含めるとして話を進めて その中から各々が「これが自分にとっての誕生の瞬間だ」というシーンを決めれば 良いのでは、とするしかなさそうです。 現在のところ人類最初のお人形になるかははっきりしていませんが、発見された中 で一番昔の物は約2万2千年前に造られたとされる「ヴィレンドルフのヴィーナス」 なので、これをフィギュアの第一号としましょう。 オーストリアの遺跡から発掘されたこの女性っぽい人形は、当然ながら多くの日本人 がイメージしたり部屋に飾っているフィギュアとは全く似ていません。 ミニスカートを履いてませんしシマパンも履いていませんし、靴も履いてはおらず そもそもお洋服を着ているのかさえあやふやです。 着色もされておらず全身が土のような色で、ハニワに近い品質といえばおよその姿 が皆さんにもなんとなく伝わるでしょうか。 こんな解説だとフィギュアコレクターからは「それは別物だ、ノーカウントだ、 人形だとしてもフィギュアではない、断固反対」といわれそうですが、世界的には これが世界最古のフィギュアとして認知されているのです。 もちろん発見されていないだけでもっと過去にもあったかもしれませんが、書物 に記載されていたり証拠が残ってないので確認のしようもなく、暫定的にですが オーストリアで発掘された約2万2千年前の「ヴィレンドルフのヴィーナス」が 初代フィギュアになりそうです。